第59号【こげくさい…!?コーヒー】
朝、キッチンから漂ってくる入れたてのコーヒーの香り。寝ぼけた頭が気持ちよく目覚めるその香りには、リラクゼーション効果もあるといいます。確かに、何だか幸せな気分になるし、仕事や家事の合間のホッとするひとときにも欠かせない存在です。今回は現代の日本の暮しにしっかり根付いたコーヒーのお話です。(,,)コーヒー豆知識? コーヒーは一体いつ頃から人類の歴史に登場するようになったのでしょうか?10世紀のアラビア人の医師が薬として扱っていた記録が残っているとか。またエチオピア(北東アフリカ)の羊飼いが発見したという説をはじめ、その起源にはいくつかの言い伝えがあるものの、どれが真実なのかはっきりしないそうです。ただコーヒーがエチオピア原産であることは間違いなく、そのエチオピアで飲まれ出したのは千年ほど前だそうです。その後トルコをはじめとするイスラム教の国々を経て、ヨーロッパ諸国、そして日本へも伝えられていきます。(p^-^)p♪むかしアラブのえらいおぼうさんが~▲エチオピア(北東アフリカ)はココ 日本へは17世紀終わり頃、オランダ船を通じて出島に運び込まれたのがはじめだといわれています。その頃、オランダ商館員らが飲んでいたコーヒーを一緒に味わうことができた日本人はオランダ通詞や遊女など出島に出入りできる限られた人々だけでした。ある長崎奉行所の役人は珍しいコーヒーを飲めたのは良かったのですが、その感想を「こげくさくして味わうにたえず」と漏らしたとか。コーヒー独特のほろ苦さは、当時の日本人の嗜好には合わなかったのかな? ちなみに当時、出島に入っていたコーヒーの銘柄は「モカ」だったそうです。「モカ」といえば、強い酸味とコク、香りが特徴の今も人気のコーヒー豆ですよね。(^¬^)ヒキタテノ香リガタマリマセン▲阿蘭陀茶臼(コーヒーミル)(長崎県立美術博物館蔵) さてその後、19世紀はじめにオランダ商館医師として来日したシーボルトはコーヒーを長寿をもたらす良薬として日本人にさかんに勧めたといいます。当時のオランダ船が運び込んだ洋薬のリストにも他の薬草の名と並んでコーヒーが記されています。シーボルト先生が勧めたせいなのか、それともコーヒーの魅惑的な味がクセになってしまったのか、この頃にはコーヒー党の日本人がけっこういたそうです。 江戸時代末期、「長崎土産」(磯野信春著)という書物には『コーヒー日本の大豆に似たり。是を磨し砕き、湯水に入れ煎じ、白糖を加えて常に服す。我国の茶を用うるが如し』と記されています。今も全く同じとらえられ方ですよね。▲赤い実をつけたコーヒーの木 ところで「コーヒー」を漢字で「珈琲」と書いたのをよく見かけますが、これは音で表したときの代表的な当て字で、他にも「古蘭比伊」「可否」「滑比」などの当て字があったそうです。また「コーヒー」を日本訳した場合も「茶豆」「唐茶」「南蛮茶」などいろいろあり、「コーヒー」にぴったりくる日本語訳があれこれ考えられたようです。(・・)昔ハ日本語訳ノ必要ガアッタンダネ。 そのこげくささも今では芳香な香りともてはやされるコーヒー。今、私の目の前にある一杯のコーヒーも、いろんな国のいろんな時代を経て来たのかと思うと、何だか味わいが増したような気がします。U\(⌒o ⌒ )あなたもコーヒーブレイクしない?
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