第52号【世界初の株式会社、オランダ東インド会社】


 長崎のみやげショップなどで「VOC」のマーク入りの商品を見かけたことはありませんか? お皿などの陶器類を始め、いろいろな小物商品にこのマークは用いられています。ちょっとかっこいいロゴデザインなのですが、何のマークかご存じですか? 答えは「オランダ東インド会社」です。正式には「連合東インド会社(Vereenighde OostIndische Compagnie)」といい、「VOC」はその略称なのでした。(^◇^)知ッテタ?



▲VOCマーク入りの大皿


 1602年に設立された「VOC」は世界初の株式会社としても知られています。この頃のヨーロッパは大航海時代(15世紀~17世紀前半)の最中で各国が新しい航路や新大陸の発見に力を注いでいました。当時、航海をする際は「当座会社」といって、その都度「座」を開き、出資金を集め、船を準備していました。そして航海をして買い付けを行い、出資者に利益を分配していたのですが、ひとつの航海ごとに行われていたこの方法では、もし船が沈んだりしたら全てを失う事になります。


また競合となると利益もそう望めないのが難点でした。それでもっといい方法はないかと考え出されたのが「株式会社」だったのです。オランダは当座会社だった14の貿易会社を統合。国王を総裁にして、軍事・外交・行政の特権を持たせ、しっかりとした組織力で世界初の株式会社「オランダ東インド会社」を立ち上げたのでした。(@o@)カッキテキ!


 その頃、スペインやポルトガルの大国に押されていたオランダは、東南アジア貿易でも苦戦を強いられていました。しかし株式会社にしたことで組織力は強まり、リスクも分散。人材を集め、船を作り、航路を決め、貿易のルートまでも組織的に対応したことでめきめきと力をつけます。東南アジアでも勢力を増し、他のヨーロッパ勢を押し退けてついには日本との貿易も勝ち取ったのでした。




そうして江戸時代に200年以上に及んだ日本とオランダとの交流。この時は「オランダ東インド会社」=「オランダ」で、平戸と出島に設けられたオランダ商館はいわばこの会社の日本支店といったものだったのです。(^o^)出島ノ外国人ハ会社員ダッタンダ



▲出島の敷地内にあった

石門にもVOCのマークが


 ところでオランダ東インド会社設立の2年前、イギリスも「東インド会社」を設立していたのですが、当座会社だったためオランダのそれに比べれば資金力も組織力も弱く、平戸にイギリス商館を設けるもわずか3年で閉鎖。対日貿易競争でオランダに敗退しています。イギリスのお話はさておき、すごいのはやはりオランダ東インド会社。資本主義の最大の発明は「株式会社」だという人もいますが、そういう意味ではまさに現代ビジネスの原点ともいえますよね。(“)今回ハ経済学ミタイデシタ?



▲土産用のネクタイ。よーく

見るとVOCのマーク入り

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