第66号【ボタニカルライフを楽しもう、長崎県亜熱帯植物園】

 日本でかねてよりブームのガーデニング。その本場といえば英国です。でも英国の街や家の庭を飾る植物のほとんどは外来種だということを皆さんはご存じですか?もともと自生植物の少なかったこの国は、18世紀の大航海時代以来、国家的プロジェクトとして植物ハンターといわれる冒険者たちを世界中に派遣し、珍しい植物を集めています。当時、食料や薬、香辛料として利用された植物は、今でいう石油のような戦略物資として重要視されていたのです。(そういえばシーボルトをはじめとする出島商館医師らも日本の植物採集に熱心でした。彼等も植物ハンターといえるかもしれませんね。) 英国ではそうした植物を集めてロンドンに「王立キュー植物園」をつくります。ここは現在も世界最大の植物コレクションとして知られ世界中から植物好きの人々が訪れているのだそうです。(^▽^)行ッテミタ~イ!


 さて前置きが長くなりましたが、世界中のボタニカル(植物)ファンのためにキュー植物園があるように、長崎には「長崎県亜熱帯植物園(サザンパーク野母崎)」という素敵な場所があります。場所は長崎県の南に位置する長崎半島のさらに南端部ある野母崎町。西に五島灘、東に天草や島原半島を望む橘湾と美しい海に囲まれ、そこを流れる対馬暖流により1年を通して温暖な気候で、熱帯や亜熱帯の植物が育つ環境の町です。(@ ̄∇ ̄@)┌自然ガ豊カナ町デス



▲長崎県亜熱帯植物園

(サザンパーク野母崎)


 「長崎県亜熱帯植物園」は山と海の両方を所有する広い敷地を持っていて、その中に、中南米・アフリカ・オーストラリア・東南アジアなど、熱帯・亜熱帯地方の植物が、約2千種3万本も植えられています。園内の路地にはヤシの木やブーゲンビリアなどが植えられていて、南国の雰囲気がたっぷりです。園の中心的建物となる「ビジターセンター」には昆虫や植物、熱帯雨林など自然科学についてわかりやすく説明した展示物コーナーをはじめ海を一望できる展望テラスレストランやショップなどがあり、くつろいで植物について学べる施設になっています。


 全面ガラス張の大きな建物「大温室」に入るとそこはまさに密林。小笠原諸島に群生していて、足がタコのように何本もある「タコノキ」とか、アフリカ原産でずんぐりとした容姿が特徴の「バオバブ」、マダガスカル原産で葉っぱが人間2人くらいを包めそうなくらい巨大な「タビビトノキ」など、近所の野山ではけして見られない珍しくて驚きいっぱいの樹木が次々に現れ、気分はもうアマゾンを行く冒険者といった感じ。( ̄ー ̄;) ちょっとオーバー?



▲密林のような大きな温室に

小さな冒険者発見!?


 園内にはさらにランやベゴニアが一年中楽しめる「フラワーガーデン温室」、バナナやコーヒー、パパイヤなど南国の実がなる「果樹温室」など、まだまだいろんな植物がいっぱい。内容も量も植物好きの人にとってはきっと一日では足りないくらいのボリュームです。



▲常春のフラワーガーデン温室


 敷地内には子供たちが自然を満喫しながらのびのび遊べる施設もあり、親子連れにも好評。また番外編ではありますが、敷地内の海岸は知る人ぞ知る釣りポイントで、わざわざ入園料を払って海岸へ下り、釣りをする人もいるとか。とにかくここは自然大好きという人には見逃せない場所です。 ワ~~イ ~~~(/ ̄▽)/ ~ф"" ""ф~


長崎県亜熱帯植物園(サザンパーク野母崎)は2017年閉園いたしました

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