第54号【長崎の「孔子廟」】

 厳しい残暑が続くとばかり思っていたら、急に涼しくなった長崎。全国的にこういう天候らしいのですが、いきなり訪れた秋についていけず、周囲では体調をくずす人が続出中。あなたは大丈夫ですか? (^o^)寝冷エニ御用心!


 さて秋といえばイベントや祭の多い季節です。長崎の観光スポットのひとつ孔子廟(こうしびょう/大浦町)でも今月29日に孔子の生誕を祝う「孔子祭」が開催されます。孔子廟とは、中国の思想家・孔子の霊を祭ったところ。長崎の孔子廟は明治23年(1893)中国清朝政府と華僑の人々によって創建された日本で唯一の中国人による本格派の孔子廟なのです。その建物は中国の華南と華北地方の建築様式が合体。独特の曲線を描く屋根には、皇帝の色を表す黄色の瓦、建物全体には魔よけと慶びを表す朱色が用いられるなど、中国本廟のオリエンタルな伝統美が息づいています。(^^)極彩色ガキレイカヨ!



▲鮮やかな彩りの孔子廟


 孔子祭は中国・明時代(1368~1644)の様式を再現した豪華絢爛の祭で、古式ゆかしい衣装に身を包んだ人々によるパレード、豚・羊などのいけにえを配した立派なおそなえもの、そして獅子舞、龍踊りなど約1時間半にわたって、広くて奥深い中国文化の一端を見ることができます。目の前で繰り広げられる遥か昔の異国の景色はまるで夢の世界のようなんです。この時期、全国各地で孔子の生誕を祝う行事が行われるそうなのですが、本格的なおそなえものをして祝うのは長崎の孔子廟だけなんだそうですよ。またここには「中国歴代博物館」が併設されていて、中国歴史博物館提供の出土文化財や北京故宮博物院提供の宮廷文化財を展示。これも見逃せません。(@@)壮大ナ歴史ガワカル!



▲華僑の方による本格的な孔子祭


 生誕から今年で2552年目を迎える「孔子」。そう、彼は紀元前のお方なのです。ごく簡単にご紹介すると、紀元前551年、魯の国に生まれた孔子は中国、春秋時代の学者・思想家で、儒学の創始者。「性善説」の孟子(もうし)や「性悪説」の筍子(じゅんし)らを門下として輩出し、キリスト・釈迦・ソクラテスとならぶ世界四聖(しせい)の一人として知られています。(・◇・)ツマリ、大聖人!



▲優しそうなお顔の孔子

(中国切手より)


 孔子の言行や弟子らとの問答などを集録した書「論語」は、孔子が理想とした思想や人格に接することのできる、いわば聖書のようなもので、現代も広く読まれています。孔子廟の入り口ではその中でも有名な「朋(とも)、遠方より来る、亦(また)楽しからずや」という一節が出迎えてくれます。私はこの意味を単に「懐かしい友達が遠くから訪ねて来てくれてうれしい」というふうに思っていたのですが、これは学問の道を述べたもので、「自分の学問が成就すると、同じ道を志す人が、遠くからも訪ねて来て、教えを請うようになる。こうなれば自分の学んだことが広く伝えられ、共に善に帰することができるのだから、楽しいことだ」というような意味があるのだそうです。


 現代も色あせず人に教えを説く論語。孔子廟をめぐりながら、いつかじっくり読んでみたいと思ったのでした。(=_=)読破スルノハ大変ダ・・

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