第56号【長崎くんち、今年の見所!】

 来月10月7・8・9日は、いよいよ秋の大祭、長崎くんちです。江戸時代初期に始まったこの祭は、長崎市民の総鎮守・諏訪神社の神事。奉納される華麗な踊りや、勇ましいだしものの数々は異国情緒にあふれ、豪華で勇壮で感動的です。さすが日本三大祭りのひとつに数えられる?だけのことはあるのです。



▲踊り場設営中の公会堂前広場


 さて、くんちの奉納は諏訪神社の氏子地域にあたる40余りの町々の中から、毎年5~7つの町が担当します。その町は「踊り町」と呼ばれ7年に1回ずつ順繰りに巡ってくる仕組みです。今年の踊り町は新橋町(しんばしまち)、諏訪町(すわまち)、新大工町(しんだいくまち)、金屋町(かなやまち)、榎津町(えのきづまち)、賑町(にぎわいまち)の6ヶ町。それでは各踊り町とその見所を前日(初日/7日)の奉納順にご紹介しましょう。\(∩o∩)/祭ダ、祭ダ!


 新橋町は「オランダ万才」という踊りです。一見するとピエロにも見える派手やかな衣装を身にまとった“異人さん”が登場。ストーリーは日本に漂着した2人の外国人が、生きていくために家々を回って万才をやり門付け(お金)を貰っているうちに、故国を思い感傷にふけるというもの。ちょっと哀愁が漂いながらも、賑やかさと洒落っけもある踊りです。


 諏訪町は全国的に有名な「龍踊り(じゃおどり)」を奉納。龍踊りを奉納する町は他にもありますが、この町の龍踊りは個性的で、青龍、白龍の2体が一緒に踊ります。さらに龍方(じゃかた:龍を持ち上げる男衆)が、あっという間に別の龍方に入れ代わる早業も見所です。\(^O^)くんちトイエバ龍踊リ!



▲龍踊りの練習を行う諏訪町


 新大工町は「曳壇尻(ひきだんじり)と詩舞(しぶ)」を奉納します。曳壇尻とは、おみこしのようなもの。長さ5m、重さ3tもある曳壇尻を「根曳衆(ねびきしゅう)」と呼ばれる数人の男たちが引いていきます。この町は町名からもうかがえるように、その昔大工さんが大勢住んでいました。曳壇尻の屋根の部分は大工の神様を祭っている奈良・春日神社を見立てていて、大工職の趣向を随所に施した美しい飾りつけが見所です。\(^O^)伝統美ヲ堪能!


 金屋町はこの町のシンボルである獅子を中心に古典調の「本踊り・秋晴勢獅子諏訪祭日(あきはるるきおいのししのすわのまつりび)」を奉納。2人がそれぞれ前足、後ろ足に入って演じる獅子が登場し、息の合った踊りを披露してくれます。


 榎津町は「川船」を奉納します。江戸時代に筑後川(福岡県)に開かれた柳川藩の川港・榎津から、人や物資がこの町に回航していた縁でこの町名が付けられています。長さ6m、重さ3tの川船を18人の根曳衆が力強く引き回し、子供が扮する船頭が網を打ち魚を捕らえるシーンなどが見所です。(”)カワイクモ凛々シイ。


 賑町は、長さ5.3m、高さ3.85m、重さ4tもある「恵美須船(えびすせん)」を奉納。その屋台の上を飾る網はビードロ細工でつくられたもので、とても高価なものだそう。この華麗な船を根曳衆が波をかきわけるかのような勇ましいかけ声で引くところや、男の子と女の子それぞれが引く子船が見所です。


 くんちの3日間、各踊り町は「庭先回り」といって街を練り歩き、家々や会社などに、だしものを披露します。特に諏訪神社、浜町アーケード、長崎県庁、お旅所(大波止)あたりは要チェックです。ぜひ、長崎・くんち見物へお出かけ下さい。(^o^)/ 



▲紋付袴に山高帽のスタイルで

庭先回りを先導する町役員

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