第53号【ちゃんぽん・皿うどん】
「ちゃんぽんコラム」御愛読の皆様へ。おかげさまで初配信から丸1年が経ちました。好奇心の赴くままに書いて来た長崎からの便りを、毎週読んでくださって、本当にありがとうございます。これからも長崎をPRしつつ、読者の皆様の心に届く内容を目指したいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします!(\∨∨/)
今回は「ちゃんぽん・皿うどん」についてです。意外ですがこのコラムでは一度も扱ってないテーマでした。それではさっそく本題に!
▲秘伝!? 月見ちゃんぽん
まずちゃんぽんの話から。ちゃんぽん誕生については諸説あって、明治のはじめ頃、ある長崎の人が丸山で支那うどんをちゃんぽんと名付けて店を開いたのが始まりという説や、明治30年代に中国・福建省出身の青年が長崎で中国料理店を開業した際、従業員や家族、そして同郷の貧しい留学生たちのために残り物の食材で作ったのがきっかけ、という説などがよく知られています。いずれにしてもちゃんぽんは中国と日本が混じりあう長崎生まれ料理には間違いありません。
具はキャベツ、タマネギ、タケノコ、キクラゲ、モヤシ、ネギといった植物性食品と、カキ、イカ、エビ、カマボコなどの動物性食品が入り、栄養のバランスが抜群に良く、味もお互いを引き立てあっています。我が家では出来たてのちゃんぽんに生タマゴを落として食べるのですが、これがなかなかおいしいのです。ぜひお試し下さい。(^◎^)月見ちゃんぽん?
▲ちゃんぽん麺と
色鮮やかなかまぼこ
ところで、ちゃんぽん麺が黄色い訳はご存じですか?ちゃんぽん麺は小麦粉にアルカリ性の唐あく水(かん水)を加えて作るのですが、その時、小麦粉の中のビタミンBと化学反応を起こし黄色に変わるのだそうです。ちゃんぽん麺に独特の色と風味をつける唐あくは、漢方薬の世界では「身体の邪気を払う」といわれているそうですよ。
お次は皿うどんについて。具の材料はちゃんぽんとほぼ同じで、あのトロリとしたアンがのる麺は、パリパリの細麺(揚麺)か太麺(生麺)。
▲海の幸、山の幸いっぱいの
ちゃんぽん・皿うどんの具
「パリパリ麺が口の中でつきささる感じが良い」という人や「時間が経ってクタクタになったものが良い」という人、そして「太麺に限る」という人や、ソースをかける派、かけない派など、人それぞれのこだわりが見られる料理です。w(^_^)アナタハドッチ?
長崎ではお客さんのおもてなしや親戚の集まりに、皿うどんを出前でとる家庭が多いのですが、数人分が盛られたひとつの大皿を囲んで食べるというスタイルは、お客さんとの絆を深めるのにちょうど良く、大切な来客には皿うどんというのが定着しているように感じます。
さて全国に名を馳せる長崎名物「ちゃんぽんと皿うどん」。その個性的なおいしさは、海と山の幸、外国と日本の文化といった、違うもの同士をひとつにしたことで生まれました。溶け合えば新しいものが生まれる。そんなことも教えてくれる実に奥深い料理なのですね。(^¬^)ダカラ美味シイノ
※地元郷土史家、越中哲也先生の「長崎チャンポン考」も併せてご覧ください。