第344号【エコできらめく長崎の夜を歩く】
お天気の長期予報によると今年も暖冬。長崎では12月に入っても小春日和の過ごしやすい日が多く、師走らしい感じがいまひとつしません。暦をあらためて見ると、雪が降り本格的な冬を迎えるとされる二十四節気の「大雪」は、おとといの12月7日。一年で昼が一番短く、夜が一番長い「冬至」は12月22日です。つまり、寒さの本番はこれからということ。みなさん、年末に向けて、体調管理にはくれぐれもお気を付けください。 そんなわけで、いまのところ長崎は、夜も薄手のコートを1枚はおるだけで十分過ごせる温かさ。ちょうど先月末から、夜の市街地で「長崎ハートフル・イルミネーション」という催しが行われていると聞き、マフラーも、毛糸の帽子も、手袋も付けない軽装で、デジカメを片手に出かけてきました。 「長崎ハートフル・イルミネーション」は、長崎駅をはじめ出島、長崎水辺の森公園、大浦天主堂、グラバー園といった観光スポットをイルミネーションで飾り、クリスマスシーズンらしい演出をほどこした催しです。期間は、先月末から大晦日まで。点灯時間は夕方17時から22時までだそうです。(※出島、大浦天主堂、グラバー園は、開園(場)時間や点灯時間は施設によって異なりますので、チェックしてお出かけください。) ところで、この時期、こうしたライトアップは全国各地の観光スポットや商店街などで行われています。ここ数年、環境への配慮からグリーンエネルギーを利用したり、省電力で耐久性に優れたLEDライトを使用するところが増えています。「長崎ハートフル・イルミネーション」で使用されている電飾もLEDライトを使ったエコな明かりだそうです。LEDライトは、以前の白熱球の明かりと比べると、クールな印象。繊細なガラス細工にも似た美しいきらめきが特長です。 さて、長崎の夜の街歩きは、夕方、帰宅時間のざわめきがはじまった長崎駅からスタートし、出島、出島ワーフ、長崎水辺の森公園、大浦天主堂、グラバー園の順でたどりました。このルートは、単に歩くだけなら小1時間もあれば十分な距離です。今回は、2時間ほどかけゆっくりライトアップを楽しみました。 出島では、オランダ国旗をモチーフにしたクリスタルコーンがかわいらしかった。キリスト教が禁じられた江戸時代、出島のオランダ人たちは、キリスト教に由来するクリスマスパーティーを、阿蘭陀冬至と呼んで祝っていたという話を思い出します。長崎港の出島ワーフへ行くと、停泊したヨットが驚くほど華やかに飾られていました。聞けば、期間中、装飾艇のコンテストが行われているのだそうです。長崎県美術館の中央を流れる運河では、雪の結晶のような光のオブジェが水面の上に揺れ、映画のワンシーンのようなロマンチックな景色でした。 イルミネーションのきらめきは、厳かな聖夜の気分を思い起こさせます。仕事帰りの人々や、夕食を終えた家族連れ、おしゃべりがつきない学生たち…、いろんな人たちが楽しんでいる平和で美しい夜に、あらためて感謝したくなるのでした。
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