第659号【いつもと違う?2024年晩秋〜初冬】

 今年は夏が終わってからも気温の高い日が続いたせいか、秋らしい涼やかな気候を十分に楽しむ間もなく「立冬」(11/7)を迎えました。長崎の市街地では今月に入り、ようやく街路樹のイチョウやナンキンハゼが色づきはじめています。今年は、全国的に紅葉が遅れたようですが、長崎県の紅葉の名所、島原半島の仁田峠(雲仙市)も、例年より10日ほど遅れて色づきはじめ、いま見頃を迎えています。山肌を染める赤、黄色、オレンジ色。そこに常緑樹の緑色が加わって生み出された景色は、まるでパッチワークのよう。人間にはとうてい作れない雄大で美しいコントラストを楽しむことができます。




 暦の上では冬ですが、長崎ではその気配はあまり感じられません。秋になると大陸から渡ってくるジョウビタキは、例年通りやって来たようで、「ヒッ、ヒッ」という鳴き声を何度も耳にしました。小春日和の休日、ジョウビタキを撮ろうと中島川沿いを歩いていると、桜の木の枝に留まったカワセミを見かけました。この日は本命のジョウビタキには会えませんでしたが、キセキレイ、アオサギ、マガモ、イソヒヨドリなど常連の野鳥たちの元気そうな姿を確認できました。



 

 見上げれば、まだまだ秋らしい空が広がっています。秋の雲といえば、いわし雲が代表的ですが、刷毛や筆でサッと描いたような筋状の形をした「巻雲(けんうん)」もよく見られます。ちなみに、ひこうき雲(飛行機の航跡に発生する雲)は、「巻雲」の仲間だそう。先月、五島列島の海上から、そして今月、長崎県庁の展望テラスから撮った「巻雲」をご覧ください。



 

 さて、旅行シーズンでもあるこの時期。長崎市中心部は、国内外からの観光客をはじめ、各地からやってきた修学旅行生、さらには、先月開業した「長崎スタジアムシティ」を訪れる人々も加わって、いつも以上に往来する人々の数が増えている印象です。そんな人の流れから抜け出すようにして、長崎駅西口界隈に絶えず人が訪れている場所がありました。




 そこは、この界隈に点在する2つオリジナルデザインのマンホールです。ひとつは「ながさき未来応援ポケモン」の「デンリュウ」が描かれたもの。ここにあるのは長崎市バージョンで、佐世保市・大村市・雲仙市・新上五島町の県内5つの市町に、それぞれの土地柄を背景にした「デンリュウ」のマンホールが設けられています。また、デンリュウは路面電車やバスにもラッピングされ、町行く人の目を楽しませています。



 

 そして、もうひとつは長崎市出身の漫画家、渡辺航氏が描く人気漫画「弱虫ペダル」のマンホール。キャラクターのひとり「鳴子章吉」が描かれたものがあります。こちらのマンホールは長崎市水道局供用60周年を記念して令和4年に長崎市内全域の観光&景観スポット全27カ所に設置されたもののひとつ。主人公の「小野田坂道」のマンホールは、クルーズ船が停泊する松が枝国際ターミナルの近くにあります。探してみませんか。




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