第553号【ご当地の魅力を映すマンホール蓋】
これまでにない酷暑が続いている平成最後の夏。それでも、お盆を過ぎた頃から、朝晩に秋めいた空気を感じるようになりました。とにかく、元気にこの夏をのりこえて涼しい秋を迎えたいですね。
さて、この夏休み中に親子でダムを訪問し、ダムカード(※当コラム549号をご覧ください)を集めた方もいらっしゃることでしょう。そんなダムカードのように、集めて楽しいのがマンホールカードです。それは、各地のシンボルマークや名所、キャラクターなどがデザインされたマンホール蓋の写真と、デザインの由来や位置座標などが記されたカードで、その目的は、マンホール蓋を通じて下水道の役割を知ってもらおうというものだそう。ちなみにマンホールカードを企画・監修しているのは「下水道広報プラットホーム(GKP)」(事務局:(公社)日本下水道協会)。2年前に30種類のカードを発行・配布して以来、次々に新しい仲間が加わって、現在、全418種類のマンホールカードがあるそうです。(※カードの配布先は各自治体など。GKPのホームページでご確認ください。)
長崎県内のマンホールカードは、現在、5種類(長崎市、諫早市、大村市、佐世保市、大村湾南部流域下水道)。長崎市は、市花「あじさい」がモチーフになったもので、現物は、2ヶ月前、世界遺産になった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ、大浦天主堂のすぐそばにあります。
マンホールカードにはなっていませんが、出島をモチーフにしたマンホール蓋もあります。1690〜1692年に来日したオランダ商館医ケンペルが描いた出島のイラストがモチーフになったもの。まさか300年以上も前のイラストがこんな形で後世に蘇るとは、ケンペル自身も驚くにちがいありません。
この8月に配布されたばかりの大村湾南部流域下水道のマンホールカードは、長崎県の花木として指定されている「つばき」がモチーフになっていました。背景には波静かな大村湾の美しい海をイメージさせるデザインが施されています。先日、このマンホールカードをもらうために(1人1枚)配布先の大村湾南部浄化センター(諫早市)へ行ったら、関東方面から来た人もいて、マンホールカードの人気ぶりがうかがえました。大村湾南部浄化センターの玄関には、マンホールカードとして発行された「つばき」と「諫早眼鏡橋と諫早菖蒲」の現物が展示されていました。
マンホールカードにはなっていませんが、諫早市には長崎県をホームタウンとするプロサッカーチーム「V.ファーレン長崎」のマスコットキャラクターを描いた「ヴィヴィくんのマンホール蓋」があります。諫早駅からトランスコスモススタジアム長崎(長崎県立総合運動公園)までのV.ファーレンロードに4つ設置されています。
長崎県内でも個性が光るデザインが目白押しのマンホール蓋。全国各地で観光振興にもつながっているようです。マンホール蓋への注目が、その蓋の下にある下水道の大切な役割を知るきっかけになるといいですね。