第540号【春は、もうすぐ!】

 相次ぐ大雪や寒波でたいへんな思いをしている方が多い、この冬。とにかく早く春が来てほしいものです。ここ九州・長崎も先月からたびたび強い寒気に見舞われました。前号でご紹介した西山神社(長崎市西山町)の緋寒桜は、三週間前と比べほんの少し開花したくらいで、まだ三分咲き。今年の冬がいかに寒くて長いかということを物語っています。満開を楽しみに来た参拝の方々は、ちょっぴり残念そうでした。



 

 寒いといいながらも、日差しが少しずつ明るくなっているのを感じます。自然界はすでに春に向かって動き出しているようで、活発に餌を求める小鳥の姿を見かけます。中島川ではカワセミ、ハクセキレイ、キセキレイ、ジョウビタキ。そして、鳴滝の山林では、日本で越冬するというシロハラの姿が今年もありました。ジョウビタキ、シロハラは、春になると大陸へ渡るそう。旅立ちを前に、しっかり餌を食べて体力をつけているところなのでしょう。



 

 小さな春の気配を感じるなか、いよいよあさって、216日から「長崎ランタンフェスティバル」がはじまります。今年は34日(日)までの17日間開催。「春節」(旧暦の元旦)を祝うこの催しは、すっかり長崎の冬の風物詩。もともとは長崎新地中華街で行われていた行事を、1994年(平成6)から規模を大きくし長崎市の中心部一帯で行うようになりました。それから早くも干支が二回り。20年くらい前の写真と見比べると、規模や内容の充実ぶりがはっきりわかります。





 

 中国ランタンや中国の故事にちなんださまざまなオブジェがまち中に飾られ、幻想的な雰囲気をつくりだす「長崎ランタンフェスティバル」。どんなに寒くても、毎年、県内外、国内外から、大勢の方々が来て楽しんでくれます。特に旧正月を大切な節目とするアジア圏の方々にとっては、自国と似ているけど、ちょっと違う長崎らしい雰囲気のなかで新年を祝えるのがうれしいようです。

 

 連日行われる催しも当初に比べるととても充実しました。徒歩圏内でつながる7つの会場(新地中華街会場、中央公園会場、唐人屋敷会場、興福寺、鍛冶市会場、浜んまち会場、孔子廟会場)では、中国獅子舞、龍踊り、中国雑技、中国変面ショー、そして、二胡や胡弓の演奏など中国ゆかりの華やかな催しが展開(※会場によって催しの内容・スケジュールは変わります)。なかでも、新地中華街会場、中央公園会場、孔子廟会場では、期間中は毎日欠かさず多彩なショーが行われているので、ぜひ、足を運んでみてください、

 

 眼鏡橋がかかる中島川では、目にも温かな黄色いランタンがお出迎え。この風景もすっかり「長崎ランタンフェスティバル」の定番となりましたが、当初はありませんでした。それにしても、約2週間の期間中、風雪に耐えて美しい光を灯し続けるランタンやオブジェの装飾の丈夫さには感心します。いろいろな人々が「長崎ランタンフェスティバル」を支え、創り出しているのです。そうした人々の熱い思いが「長崎ランタンフェスティバル」の魅力となって、多くの来場者に感動を与えているのでしょう。





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