第516号【めくるめく如月の暦】
旧暦の新年を祝う「長崎ランタンフェスティバル」は今週の土曜日(2/11)まで。この期間中、とくに「立春」を過ぎてからは日差しがどんどん春めいてきました。その昔、一年のはじまりと考えられていた「立春」は、二十四節気のスタート。これから「雨水」「啓蟄」「春分」と時候を刻んでいきます。
暦に記される二十四節気は、太陽が1年でひとまわりする道(黄道)を24等分し、約15日ごとの時候を2文字の漢字で表現したものです。そのいちばん最後(24番目)は「大寒」で、今年は1月20日でした。
二十四節気をさらに分けて、季節の変化をよりこまやかによみとる目安となっているのが七十二候です。古代中国で生まれたものですが、日本に渡った後、江戸時代に日本の気候に合わせて改められています。七十二候も「立春」の日にはじまり、第1候は「東風解凍」(はるかぜこおりをとく)。それから約5日ごとに第2候「黄鶯睍睆」(うぐいすなく)、第3候「魚上氷」(うおこおりをいずる)と季節をめぐり第72候「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」まで続きます。
二十四節気や、七十二候でもないけれど、暦のうえでさらに季節の節目を教えてくれるのが「雑節」です。「立春」の前日の「節分」や、梅雨入りの目安となる「入梅」、新茶を摘む時期とされる「八十八夜」、台風など自然災害への備えを促す「二百十日」などがそれです。畑を耕したり、海や川で漁をするなど自然を相手に暮らした人々が生活に役立てるためにもうけた「雑節」は、現代の暮らしにもおおいに役立てられています。
2月3日の「節分」には、あちらこちらの社寺で「鬼火焚き」や「豆まき」が行われました。「鬼火焚き」は地域によっては、「左義長」、「どんど焼き」と呼ばれています。この日、お正月の注連縄や去年のお札などをもって近所の社寺へ出かけた方も多いことでしょう。長崎市の諏訪神社でも恒例の「鬼火焚き」と「豆まき」が行われていました。
消防車がそばで待機しての「鬼火焚き」。無病息災、家内安全を願って、じっと炎にあたる人々。炎のゆらぎやパチパチと燃える音が心地よく、自然に無口になります。手をかざせば身体もじんわりと温まり、気分もほっこり。屋外で大きな炎をみる機会があまりない現代人にとって、「鬼火焚き」は貴重なひとときです。人間が洞窟に暮らした時代から変わらない炎がくれるやすらぎのようなものをいまに伝えている気がします。
そして節分の日には、伝統の行事食をいただきます。ここ数年、関西発祥の恵方巻きが全国的に知られていますが、けんちん汁、こんにゃく料理、いわし料理を食べる地域もあるようです。長崎では、紅大根の酢の物、カナガシラの煮付けなどが知られています。
季節のさまざまな節目や行事が続く2月。来週はバレンタインデーも控えています。みろく屋の「皿うどんチョコレート」は、サクサクの皿うどん細麺と上質チョコレートのおいしいコラボ。もらった人は「へぇー」なんて言いながら、ほおばれば、きっとにっこり。大切な人、お世話になった方へ、贈ってみませんか?