第465号【やさしいきらめき~長崎夜景~】

 大雪や嵐で被害に合われた方々に心からお見舞い申し上げます。

 

 例年より強い寒さを感じる今年の師走。天候不順が気になるところですが、ご家庭や仕事先で新年を迎える準備はすすんでいらっしゃいますか?長崎の郷土料理を得意とする先生のお宅では12月に入るとすぐ、お正月用の「紅さしの南蛮漬け」を作って冷凍保存したそうです。その先生から、伊達巻(だてまき)にまつわる面白い話をうかがいました。

 

 伊達巻の名称の由来は、伊達政宗の好物だったという説や、見た目の華やかさから、お洒落とか派手さを意味する「伊達」の名が付いたとも言われています。先生によると、江戸時代に「カステラ蒲鉾」として長崎からお江戸に伝わり、洒落た装いをする人(伊達者)の着物に似ていたので、「伊達巻」と呼ばれるようになったとか。白身魚のすり身と卵を混ぜ合わせた生地をオーブンで焼いて作る伊達巻は、本当にカステラのような焼き上がり。いまでも長崎で「カステラ蒲鉾」と呼ばれるわけです。



 



 きょうは、クリスマス・イブ。ちょうどいま、長崎のまちの中心部はイルミネーションとライトアップでクリスマスの装い。仕事や家事をちょっと脇において夜の長崎へお出かけになりませんか。

 

 昔から変わらぬ長崎の夜景スポットは、やはり稲佐山(標高333m)。ロープウエイで登れば、「来て良かった♡」と思わせる見事なロケーションを楽しむことができます。以前来たことのある方は、きっとまちのきらめき感がアップしたように感じられるはず。聞くところによると、より美しい夜景をめざして市民にカーテンを開けてもらうなどの協力をお願いしているそうです。寒い季節なので人出は少ないかと思いきや、15分おきに発着するロープウェイは、ひっきりなしにお客さんを山頂へ運んできます。それに、焼けちゃうほどカップルが多い。真冬でも超ホットな稲佐山でした。



 

 長崎駅や出島、長崎水辺の森公園、南山手の大浦天主堂やグラバー園も、それぞれの個性をいかしたイルミネーションで出迎えてくれます。ところでイルミネーションがLED(発光ダイオード)の灯りに変わったのは10年ちょっと前くらいからでしょうか。最初の頃は色合いも限られて、どこか冷たい印象がありましたが、年々技術が進化し、いまではほぼフルカラーのやさしいきらめきで、まちを彩っています。



 





 ろうそく、白熱電球、蛍光灯に次ぐ、第四世代の灯りといわれるLED。今年、明るくエネルギー節約効果が高い照明を実現するとして、青色LEDの基礎研究と実用化に貢献した3人の日本人がノーベル物理学賞を授賞しました。多大な忍耐を要したという彼らの研究を知ると、LEDの灯りをたくさんちりばめた長崎の夜景がいっそう温かく心にしみてきます。今宵、みなさんにも、やさしいきらめきが届きますように。Merry Christmas and Happy new year.





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