第433号【長崎まちなかネイチャーガイド(チョウや鳥)】
今年の夏の暑さには、本当にまいってしまいますね。皆さんはいかがお過ごしですか?食も細くなりがちですが、冷し中華なら野菜や肉類など好みの具材を盛ってツルツルッといただけるのでおすすめです。栄養バランスのよい食事をとって、夏バテしないようにしてください。
さて夏休みももうすぐ終わり。長崎のまちなかを流れる中島川界隈では、今年も昆虫採集などをしている子どもたちをよく見かけました。川は子どもたちにとって絶好のネイチャースポット。魚類はもちろん、昆虫や鳥類などいろんな生き物とふれあうことができます。
ある日、河原で子どもたちが追いかけていたのはアゲハチョウ。夏場は特にいろいろな種類が飛んでいますが、「キアゲハ」、「クロアゲハ」などよく見かけるタイプから、南方からはるばる海を渡ってくる「アサギマダラ」ではないかと思われるものも見かけます。
また、「クロアゲハ」に似た「ナガサキアゲハ」という種類もいます。「ナガサキアゲハ」は、江戸時代にシーボルトが名付けたもの。本州西部から九州・沖縄にかけて分布し、オスは黒地にブルー、メスは黒地にイエローの紋様が入ったきれいなチョウです。赤い花を好むのでハイビスカスの蜜を吸っているチョウがいたら、それが「ナガサキアゲハ」かもしれません。
カワセミに似たきれいなブルーグリーンの太い線が入ったチョウは「アオスジアゲハ」です。中島川にかかる石橋のひとつ「一覧橋」(光永寺そば)付近でよく見かけました。橋のたもとには大きなクスノキがあるのですが、この葉を「アオスジアゲハ」が好んで食べるのだそうです。
中島川付近でお馴染みの鳥類は、カワラバト、スズメ、ムクドリ、アオサギ、シラサギ、そしてカワセミやキセイレイ、ハクセキレイなど。しかし8月に入ると猛暑を逃れたのか、ムクドリやカワセミとなかなか出会うことができません。スズメたちは、真冬には丸くふくれていますが、いまはスマートな姿。甲羅干し中のカメたちは、この暑さにのびてしまっていました。
中島川がそそぐ長崎港界隈では、頭から背にかけて青くお腹がレンガ色をしたイソヒヨドリをよく見かけます。また、上流の森林の多い地域にいくと、「デデーポオポオ」と鳴く「キジバト」や「ツツピー、ツツピー」と鳴く「ヤマガラ」などとも気軽に出会えます。
目を凝らし、耳を澄ませば、まちなかにも小さな自然がたくましく息づいている長崎。あなたのまちでも、探してみませんか。
◎参考にした本/生きもの出会い図鑑~日本のチョウ(学研)、野鳥博士入門(全国農村教育協会)