第410号【皿うどんサラダでアートにチャレンジ!】

 ずいぶん朝夕が過ごしやすくなりました。気持ちのいい涼風は、今年の猛暑を乗り越えたご褒美のようでもあります。でも、九州・長崎はまだまだ日中の残暑は厳しいです。北の地方では、ずいぶん暑さがおさまったようですね。季節の変わり目です。体調に気を付けてお過ごしください。

 

 今回は先月末に行われた長崎県美術館でのワークショップ『「皿うどんサラダ」で皿うどんアートに挑戦!』の様子をご紹介します。これは、夏休み期間中に同美術館で開催された「メアリー・ブレア原画展」(2012728日~92日迄)の関連イベントのひとつで、皿うどんサラダの麺と野菜を使って、親子で絵を描いてもらおうという催しです。





 

  メアリー・ブレアは、アメリカのアーティストで、数々の名作アニメを世に送り出したディズニー・スタジオの草創期に活躍した女性です。「シンデレラ」、「不思議の国のアリス」などのコンセプト・アートのほか、ディズニーランドのアトラクションとして親しまれている「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインを担当したことでも知られています。また、2人の息子に恵まれたメアリーは、母としての愛情を通してさらに創造性あふれる作品を残しました。その豊かな色彩感覚とデザインは、いまも多くのアーティストに影響を与えています。

 

 そんなメアリーのようにカラフルで創造性豊かな作品をつくろうと、会場に集まった子どもたち。衛生のためのフィルムでくるんだ画板に、ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、レタス、トマト、コーンなど、色鮮やかな野菜と麺を配しながら、絵を描いていきます。最初はとまどい気味の子も、すぐに夢中に。途中、麺や野菜をつまみぐいする子もいたりして、会場は、楽しくほほえましい空気に包まれました。



 

 作品のテーマは自由。大好きな「お母さん」や「キャラクター」のほか、「花火大会」、「山」、「海」など家族とのこの夏の思い出などを、のびのびと仕上げていました。参加した子どもたちの感想は、「たいへんだったけど、面白かった!」(7才男子)、「がんばって良かった」(5才女子)、「家ではこんなことできないから、楽しかった」(11才女子)「少しむずしかったけど、またやってみたい」(5才男子)などなど。それぞれに楽しんでくれたようです。





 

 それぞれの作品は、最後はちゃんと食べる、というのがこの催しの大切なポイントです。嫌いだったはずの野菜も、何度も手にとって親しみがわいたのか、「おいしそうに食べていますね」とお母さん。別のテーブルでは、ふだんは食べないというパセリを、パクパク食べている男の子の姿が印象的でした。



 

 もともと、皿うどんサラダの麺は、子どもたちに野菜をいっぱい食べてほしいという思いから開発された商品です。パリパリの食感の麺と一緒に食べれば、きっと苦手だった野菜もおいしく食べてくれるはず。こうしたアートを通して、いろんな野菜、食材と触れ合うことは、現代の子どもたちにとって、食を知り、もっと親しむ大切なきっかけのひとつになるのかもしれません。



 

◎取材協力/長崎県美術館、KTNテレビ長崎















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