第384号【狛犬いろいろ】

 気象台から発表された3カ月予報によると、今月の気温は平年並みですが、9月、10月の気温は平年より高めで、残暑はとても厳しくなりそうだとか。バランスのとれた食事で夏バテ防止を心がけたいものです。いま、はまっているのがいつものちゃんぽんに、白菜キムチをたっぷりトッピングして食べること。白菜キムチの辛味、酸味がちゃんぽんスープに溶け込むと、これまた美味。野菜もたっぷりとれ、気持ちのいいほど汗も出てスカッとします。

 

 さて、この季節、夏祭りやご先祖様の供養などで神社やお寺へ出かける方も多いと思いますが、今回はそんな場所で見かける狛犬の話です。狛犬のルーツは古代インドで、百獣の王であるライオンを模した像を仏さまの守護としてその両脇に置いたのがはじまりだと一説にはいわれています。エジプトのスフィンクスも源流に近いらしく、その姿を微妙に変化させながら世界各地に伝わっていったそうです。

 

 日本へは、中国のいわゆる「唐獅子」が仏教とともに朝鮮半島を経て伝来し、「狛犬」に変化したといわれています。現在では全国各地で見られ、けして珍しくはない狛犬ですが、よく見ると姿はいろいろで、なかにはさまざまな願い事をかなえてくれる霊験あらたかなものもいます。長崎でそんな狛犬の宝庫(!?)とも言えるのが、長崎市民の総鎮守として親しまれている諏訪神社(長崎市上西山町)です。

 

 敷地内をぶらりと散策しただけで8つの狛犬(一対でないものも含む)を確認できました。禁酒禁煙や受験のすべり止めなどを祈願する「止め事成就の狛犬」心に突き刺さっているトゲを抜いてくれるという「トゲ抜き狛犬」などなど。また、カッパの姿をしたものや後ろ足だけ、前足だけで立つ狛犬など、石工さんのユーモア精神を感じられるものもあります。





 

 諏訪神社の参道の途中には大きな狛犬もいます。それは、頭髪もしっぽもクリクリとした大ぶりの巻き毛で、西洋風でもありまた「唐獅子」のようにも見える狛犬です。実は明らかに狛犬ではなく、「唐獅子」を山門の両脇に置いているのが、唐寺のひとつ「崇福寺」(長崎市鍛冶屋町)です。





 

 向かって右側は子供の獅子を抱いたメスの唐獅子、左側は毬と戯れるオスと思われる唐獅子です。いずれも中国獅子舞のような動きのある姿です。また同じ唐寺でも、「聖福寺」(長崎市玉園町)の参道の途中に祀られていたものは小ぶりの狛犬で、しっぽが極端に大きいユニークな姿が特長です。お顔もどこかかわいらしく、アニメのキャラクターのようでもあります。 



 

 「八坂神社」(長崎市鍛冶屋町)には、参拝者にお顔を撫でられ過ぎて、人の顔みたいになってしまったという狛犬や、思わず抱き上げたくなるようなコロコロとしてかわいい狛犬も見られます。さてさて、あなたのお近くのお寺や神社には、どんな狛犬が住んでいますか。





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