第251号【長崎カオスひたる、ランタンフェスティバル!】

 長崎の冬の一大風物詩、「長崎ランタンフェスティバル」が、もうすぐはじまります!毎年、旧暦の元旦から約2週間に渡って行われるお祭りで、今年は1月29日(日)~2月12(日)まで開催。長崎市内の中心部が、1万5千個にも及ぶランタンの明かりに包まれます。


 「長崎ランタンフェスティバル」は、もともと中国の旧正月(春節)を祝う行事として、長崎在住の華僑(かきょう)の人々によって行われていたものが、長崎市全体のお祭りに発展したものです。街いっぱいダイナミックに、華やかに飾られた極彩色の明かりは、訪れる人々を幻想的な世界へ誘います。それは、現在・過去・未来と悠久の時間の中をさまよう不思議な感覚です。東洋と西洋の国々との交流で彩られた長崎独特の混とんとした歴史、「長崎カオス」とも呼びたくなるその渦の中に迷い込んだようでもあります。




 年々、全国的に知られていくと同時に、規模が広がり内容も充実している「長崎ランタンフェスティバル」。長崎新地中華街そばにある「湊公園(みなとこうえん)」をはじめ、「中央公園」、「唐人屋敷(とうじんやしき)」、「興福寺(こうふくじ)」、「浜んまち」、「鍛冶市(かじいち)」など市内中心部に設けられた6ケ所の会場では、龍踊りや中国獅子舞、中国雑技など、中国ゆかりの催しが連日行われ、観客を飽きさせません。いずれの会場も、徒歩圏内で結ばれています。会場から会場へ、ランタンの明かりの下を家族や友人たちとそぞろ歩けば、心も身体もポカポカと温まることでしょう。




 今年の見どころをいくつかご紹介します。ひとつめは毎年「湊公園会場」に飾られる干支のオブジェです。犬年にちなんだ今回のオブジェのタイトルは、「旺旺・狗来富(ワンワン・ゴーライフー)」。『犬が来ると家業が栄える』という意味だそうで、ぜひ、一目見ておきたいものです。

 

 ランタンと共に人々の目を楽しませてくれるのが、孫悟空(そんごくう)麒麟(きりん)、楊貴妃(ようきひ)など中国伝説の神々や動物、歴史上の人物のオブジェです。今年は、たっぷりの白ヒゲをたくわえ、桃のついた杖を持つ「月下老人(げっかろうじん)」というオブジェが新しく登場します。伝説によると「縁結びの神様」だとか。気になる方は、探してみませんか?




 そして、今年は眼鏡橋のある中島川沿いにも、足を延ばしましょう。幸せの黄色いランタンが優しい表情で連なっています。川面に映るロマンチックな明かりは必見です!


 さらに、開催期間限定販売の「ランタンオリジナルグッズ」も要チェックです。「福」の文字を逆さにしたキーホルダー(300円)は、福を逃がさないという意味がある縁起物。手に持って歩きたい小型ランタン(300円)などもお土産に最適です。どこか素朴で愛嬌のある中国のおもちゃなども一緒に湊公園会場などで販売されていますので、この機会にどうぞ。






 さて、長崎ランタンフェスティバルと同時に楽しんでいただきたいのが、「長崎歴史文化博物館」(長崎市立山)で開催中の「北京故宮博物院展~清朝末期の宮廷芸術と文化~」(1月21日~3月5日迄)です。中国の歴史の奥深さに触れるすばらしい展覧会です。ランタンフェスティバル会場のひとつである唐寺「興福寺」の「瑠璃燈(るりとう)」も展示されています。これは、長崎市の文化財で、東洋一と呼ばれるランタンだそうです。こちらも、お見逃しなく。

 


◎ 取材協力/長崎ランタンフェスティバル実行委員会(長崎市観光宣伝課内)

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