第222号【もうすぐ長崎ランタンフェスティバル】

 長崎の冬の風物詩、『2005長崎ランタンフェスティバル』が来週、旧元旦にあたる2月9日(水)から2月23日(水)の15日間にわたり開催されます。


 朱色、黄色、ピンクのランタン(中国提灯)が長崎の街をうめつくすこのお祭りは、もともと長崎在住の華僑の人々の間で行われてきた旧正月のお祝い(春節祭)で、その伝統行事に12年ほど前から長崎市が参画し、長崎全体のお祭りとして規模を広げ現在に至ったものです。




 昨年は約2週間の開催期間中、雪に見舞われる日が多く人出が落ち込みましたが、それでも約68万人(前年比12万減)の人々が県内外や外国から訪れて、フェスティバルを楽しみました。余談ですが、長崎の平野部では雪の日というのはとても少なく、大雪(といっても数センチほどの積雪)で交通網がマヒしたりするのは、年に数回程度です。イベントが雪で大きな影響を受けるというのは長崎では珍しいことだったと思います。




 このお祭りの魅力は何と言っても約1万2千個にも及ぶランタンが飾られた長崎の街の風景です。新地中華街周辺や、浜んまち、観光通りアーケードなどの市内中心部一帯が極彩色の幻想的な世界に包まれます。その市内中心部には7ケ所の会場(湊公園、中央公園、唐人屋敷、興福寺、浜んまち、鍛冶市、鐵橋)が設けられ、中国雑技や龍踊りなどが毎日披露されます。




 その他、期間中には胡弓の演奏や太極拳、皇帝パレード、媽祖行列(まそぎょうれつ)など、中国色豊かなイベントが盛り沢山用意されています。お出かけの際には、市内各所で配付されているイベントスケジュールやホームページで、見たい催しの日時をチェックしておくといいと思います。


 毎年、メイン会場の湊公園(新地中華街隣)に飾られる干支のオブジェも楽しみのひとつです。今年は、「金鶏報暁」(きんけいほうぎょ)というもので、高さ約8メートルの巨大オブジェだそうです。会場でぜひ、ご覧下さい。そして、毎回感動を覚えるのが、中国の磁器(お碗、盃、ちりれんげなど)を組み合わせて作った龍と鳳凰(ほうおう)のオブジェ。もちろん、今年も飾られています。食器でつくられたとは思えない精巧なもので、一見の価値ありです。また、各会場に飾られた三国志の登場人物や中国の伝説の動物たちをモチーフにしたオブジェのランタンも圧巻です。




 メイン会場へはJR長崎駅前から路面電車を利用すると便利です。1番系統「正覚寺下」行きに乗り、「築町」の電停で下車。徒歩約3分。各会場間は、ぶらぶらと歩いてめぐれる距離です。


 厚いコート、毛糸の帽子、マフラーに身を包んで外に繰り出し、人の波に揺られながらランタンの灯りの下を歩いていると、ふっと早春の気配が感じられるときがあります。「冬来たりなば、春遠からず」。そんな言葉を思い出し小さな希望がわいてきます。長崎ランタンフェスティバルへぜひ、お越しください。



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