第201号【長崎ロープウェイで、懐かしい感動と出会う】

 長崎ロープウェィに乗ったことはありますか?初めて乗ったのはいつでしたか?長崎ロープウェイとは、長崎市街の北西部にそびえる標高333メートルの稲佐山山頂とそのふもとを結ぶロープウェイのこと。ふもと側の乗り場「淵神社駅」は、長崎駅から車で5分ほどのところにあります。




 長崎ロープウェイは、昭和34年にオープン。高度成長期に入って間もないこの時代、子供も大人もワクワクさせる特別な乗り物として、観光客はもちろん地元の人々にも大人気でした。現在は、稲佐山の新たな車道の開通や、いろんな乗り物を楽しめるレジャー産業の隆盛で、残念ながら乗車客は減少傾向にあり、ロープウェィに対する関心も以前と比べればずいぶん薄れてしまったようです。


 とはいえ、長崎の観光で稲佐山のロープウェィをはずすことはできません。なぜなら、ふもとからいっきに上がるときのダイナミックな街の景色の変化は車道では体験できませんし、またその景色もロープウェイならではの独自のロケーションだからです。




 「淵神社駅」から稲佐山山頂の展望台のそばにある「稲佐山駅」までの約1、096メートルの距離を5分ほどで登るこのロープウェイは、いわばゴンドラの空中遊覧。久しぶりに乗ってみると、家々や山の樹木を真下に見下ろしながら急な傾斜(勾配27度)を行く時のちょっとしたスリル感は、子供の頃、初めて乗った時の気分を思い出し、懐かしい気持ちになりました。




 山頂の展望台からの眺めも相変わらず感動的です。山の稜線や長崎港沖合いの島々の姿は当然ながら昔のままですが、新しい建物や道路ができるなど刻々と変化してきた長崎の街が眼下に広がり、時の流れを実感。感慨深いものが込み上げてきます。ここから望む1000万ドルの夜景は変わらぬ人気です。夕刻からの時間帯はロープウェイの利用者が急増(朝9時から夜10時まで営業。冬場は夜9時まで。)し、恋人たちのデートスポットとしても好評です。稲佐山山頂であらためて気付かされるのは、この山が豊かな樹木に覆われた、自然を満喫できるところであるということ。特に市街地の反対側に見られる緑の尾根が続く景観は圧巻です。ここはハイキングコースとしても人気だそうです。




 さて、稲佐山には8合目に「スカイウェイ」と呼ばれるから6人乗りのゴンドラリフトが稲佐山山頂まで片道2分半で運行しています。8合目には、コンサート等のイベントが行われる野外音楽堂や広場、大型駐車場があり、休日は市民の憩いの場になっています。「スカイウェイ」は、8合目までマイカーで出かける方に利用されているようです。




 ロープウエイのゴンドラが動き出すと、子供たちの中には、遊園地の乗り物にでも乗ったように、歓声を上げて大喜びする子もいるそうです。夏休み最後の思い出づくりにお出かけになってみませんか?

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