第171号【長崎の冬の風物詩、長崎ランタンフェスティバル】

「スローライフ」へ関心を抱くナチュラル志向の人々の間で、今、旧暦カレンダーが注目されているそうです。旧暦とは、古く中国の暦をもとに、太陽と月の運行のリズムに合わせて日本独自に改良を加えたもの。そこに記された冬至、小寒、大寒、立春、雨水、啓蟄、春分などの二十四節気は今でも季節を知る目安として利用されています。旧暦には自然のリズムを大切にする「スローライフ」の知恵がたくさんつまっているのです。




長崎の冬を彩る一大イベント、「長崎ランタンフェスティバル」は中国の旧正月を祝う祭(春節祭)。毎年、旧暦の元旦から1月15日に行われており、今年は1/22~2/5まで開催します。年によって開催時期が異なるのは(H14年は2/12~2/26、H15年は2/1~2/15)、旧暦は1年の長さが353日~385日まで変化するので、毎年の日付と季節にズレが生じるためです。期間中には雪が降ることもあり、春と呼ぶにはまだ早い気がしますが、1万2千個にも及ぶランタン(中国堤灯)が飾られた街へ出ると、確かにどこからともなく春の気配が感じられるから不思議です。




年々規模も華やかさも増しているこのフェスティバルは、今年も新地中華街と長崎市の繁華街「浜んまち」を中心に多彩なイベントが繰り広げられます。メイン会場となる「湊公園会場」(新地中華街となり)では、初日の夕方5時30分から春節礼祭・点灯式が行われ、フェスティバルが一斉にスタートします。




会場は、唐人屋敷会場、浜んまち会場、中央公園会場、鐵橋会場、鍛冶市会場、興福寺会場とあり、くんちでおなじみの龍踊り、中国山西省の太原市(たいげんし)雑技団による華やかな中国雑技、懐かしい響きが魅力の胡弓演奏など中国色豊かな催しが毎日披露されます。各会場間は徒歩で約5~15分ほどしか離れていません。人の波をかきわけながらランタンの明かりの下を渡り歩くだけでもけっこう楽しいものです。




この祭の見どころのひとつが、所狭しと飾られた中国伝説の珍獣のオブジェです。極彩色に彩られた鳳凰や龍などが幻想の世界へと誘います。今年は申年にちなんで「孫悟空」をモチーフにした高さ8メートルにも及ぶの巨大オブジェがメイン会場に登場。迫力満点の悟空の前で記念写真はいかがですか?


期間中の土日には皇帝パレード、媽祖行列といった、歴史絵巻のような華やかなパレードも行われます。


明治以前の日本は旧暦でかすかな春の気配を感じながら新年を迎えていました。今年の「長崎ランタンフェスティバル」を機に、旧暦カレンダー見直してみるのもいいかもしれませんね。



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