第150号【夏はやっぱりソーメン! ~地蔵祭りの飾りそうめん~】

 橘湾を挟んで島原半島や天草まで展望できる長崎市日吉地区。 その自然豊かな地域に位置する飯香の浦(いかのうら)町・太田尾(おおたお)町で毎年7月に行われる地蔵祭りは、 一風変った儀式が行われます。


 飯香の浦の地蔵堂に祭られる飾りは、二対の鎧兜と幔幕、太田尾の地蔵堂には女形と男形の人形。 どちらもそうめんを編み上げて作られます。複雑な工程ですが、所要時間はおよそ3時間。 当然、そうめんが乾燥する前に編み上げなければなりません。 (^◇^;)コリャタイヘンダァ


 出来上がりは、組紐細工のような見事な造形。とてもそうめんには見えません。 小麦やそうめんの生産地でもない地域で、ここまで複雑な飾りそうめんは全国的にも珍しく、 また江戸時代中期頃から伝承されたその技は、長崎市の無形民族文化財に指定されています。


 夜になると、屋台も並び、三々五々とお参りの人たちが訪れ、夏祭りの夕べのひと時がほのぼのと過ぎていきます。 ちなみにお供えに飾られるのは、飾りソーメンのほかに、 桃の形の饅頭とひまわりと小菊を模った落雁、白い小粒の団子と、おいしそうなものばかり。 お祭りが終わると、これらのお飾りは解体され、各家々に配られるそうですよ。 (^.^;チョット勿体ナイ?



▲飯香の浦地蔵祭りの

飾りそうめん



▲太田尾地蔵祭りの

飾りそうめん



▲ほのぼの・和やかな

雰囲気のお祭りでした。

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