第144号【長崎の気になる木?!】

 夏には心地よい木陰を、秋には美しい紅葉を提供してくれる街路樹。 長崎市の街路樹で一番多いのはナンキンハゼだそうです。 ナンキンハゼは長崎市の木に指定されていますが、名前からも分かるように中国原産の帰化植物です。


 帰化植物とは原産国から運び出され、異国の地で繁殖した植物。 古くから、外国との交流のあった長崎には、食用・薬用・観賞用という目的で持ち込まれ、 全国的に栽培されるようになったものもあれば、すっかり野生化して、 長崎の街のそこここで、たくましく繁殖しているものも数多くあります。


 長崎には国内唯一という珍しい木もあります。 長崎公園(諏訪神社そば)のトックリノキと出島のデジマノキ(県指定天然記念物)。 文字通り長崎に根を張って、市民に親しまれています。 こうした植物たちが、異国情緒漂う長崎の風景に一役かっていると思うのは私だけでしょうか。


 逆に、長崎から遠い国々へ旅立った植物もたくさんあります。 江戸時代にオランダ商館医として来日したツェンペリ(1775年来日)とシーボルト(1823年来日)は、 それぞれ長崎で採取した植物を標本にして「日本植物誌」をつくりあげました。 どちらにも長崎が標本原産地として記録されており、これらの標本の多くはスウェーデンのウプサラ大学、 ドイツのライデン国立植物標本館に今も良好な状態で保存されているそうです。 (´・` )行ッテミタイ……。



▲ナンキンハゼの街路樹

奥に浦上天主堂が見える



▲ユニークな

トックリノキ



▲天然記念物

のデジマノキ

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