第142号【雨の日は雨と遊ぶ ~龍頭泉と小崎侃美術館~】
6月に入り梅雨も間近。こんにちは、こみくらです。 梅雨を好きな方は少ないと思いますが、自然にとっては恵みの雨そのもの。 ひと雨ごとに緑も濃くなっていく今の時期にこそ、外に出て自然観賞はいかがでしょうか?
東彼杵町の千綿渓谷の上流にある「龍頭泉(りゅうとうせん)」と呼ばれる滝は、 江戸時代の儒学者、広瀬淡窓(ひろせ・たんそう)が渓谷を訪れたとき、 この景観を伝説の龍に例えて命名したそうです。 龍のように轟々とうなる滝や岩の上を流れる渓流の「動」と緑の木々の「静」の対比が、別世界に誘います。 しとしとと、そぼ降る雨の中に佇むと、まるで山水画の中にいるような気分。
、ヽ`、ヽ``、ヽ``
`ヽ、T(^-^)傘ハオ忘レナク。
雨がひどくなったら、山の中腹にある侃(かん)美術館へ、急ぎましょう。 龍頭泉の奥、巨大な奇岩と原生林の中に朱色の屋根が見えてきます。 長崎在住の版画家・小崎侃さんの美術館です。 侃さんの作品は「山頭火」「原爆」「葉隠」シリーズの作品が有名ですが、 美術館には版画の他、油絵、書、彫刻なども展示されています。
山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く
春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし 山頭火
漂泊の俳人、種田山頭火の詩と小崎侃の版画、そして窓から見える渓谷の 自然に心を縦横無人に遊ばせたなら、渓谷にかかる虹を見ることができるかもしれませんよ。
※侃美術館へ入館は事前予約が必要です。
▲四季折々、様々な表情を
見せる滝(龍頭泉)
▲千綿渓谷には
48の淵がある
▲大正モダンを感じさせる
和風建築の侃美術館