第137号【中国寺で動物探検!?】
日本のお寺は白黒・グレーのモノトーンの世界ですよね。 これはこれでとても美しい、厳粛で清浄な趣がありますね。 ところで長崎には俗に「あかでら」と呼ばれる朱色の美しいお寺がいくつかあるのをご存知ですか。 これらはその昔、長崎に渡来した中国人らが建立した中国寺なのです。 中でもとりわけ有名なのが鍛冶屋町にある崇福寺。大雄宝殿と第一峰門がそれぞれ国宝。 その他にも護法堂、三門などの建築物の5つが重要文化財という、 その道の専門家にとっては垂涎の的の歴史的遺産なのです。
ところが、そうした見事な細工や意匠にまぎれて、私が気になるのは、魔可不思議な動物たちの存在。 中国の三大聖獣といえば龍、鳳凰、麒麟。 龍は天を駆け巡る力の象徴、鳳凰は聖徳を備えた天子が現れる吉兆、麒麟は聖人の出現の予兆と言われています。 魚とコウモリは、福を運んでくる縁起の良い生き物として、今もお祝い事に欠かせない生き物です。 これらの聖獣、生き物の意味合いを考えながら、建築物のあちこちに装飾として隠れているものを発見していくと、 当時の時代背景や人々の思いなどが、かいま見えてくるようです。
ちなみに、私が発見した生き物は獅子(ライオン)3頭、シャチ18頭、魚1尾、龍5匹、コウモリ8匹、麒麟12頭、鳳凰2羽でした。
▲彩色が美しい
崇福寺、第一峰
▲天(上)にシャチと龍
▲石碑に彫られた
一対の麒麟
▲おまけ1
蝙蝠、龍
▲おまけ2
獅子(ライオン)