第126号【ザボンと西山神社】
冬、食べ頃となるザボンの実。グレープフルーツにも似た爽やかで甘い香りが魅力の果実です。 ザボンの名はポルトガル語のザンボア(Zamboa)に由来。 またブンタン(文旦)とか、それが訛ってボンタンとも呼ばれることもあります。 (〇_〇?ザボン≒ブンタン
▲食べ頃のザボンとザボン漬け
2月初め、ザボン発祥地である西山神社(長崎市西山本町)へ行って来ました。 諏訪神社から北の方の高台へ歩いて15分。発祥といわれるザボンの木が、緑に囲まれた静かな境内の下段にありました。 すでに4代目というそのザボンの木は高さ5mほど。大きな実が細い枝をしならせて、沢山ぶら下がっています。 数えると25個もありました。\(’- ’)1.2.3…♪
▲ザボン発祥の地・西山神社
ザボンの種子がジャワから唐船に揺られて長崎に渡って来たのは、1667年のこと。唐船船長が種子を唐通事だった廬 草拙(ろ そうせつ:西山神社を建てた人物)へ譲り、 それを境内に蒔いて成長させたものが最初です。 この初代の木は100年近く生き、その間生まれた新たな種子が長崎周辺や島原半島、鹿児島などへ渡って行きました。
時は移り昭和23年、「長崎のザボン売り」という歌謡曲が大ヒットしました。 が、じつは当時、長崎にザボンは少なかったそうです。 というのも大正5年に害虫が発生し、ほとんどのザボンの木が伐採されていたのです。 しかしこの歌のヒットでザボン人気も急上昇。あわてて長崎駅前にザボン売りが登場します。 この時、急きょ用意されたザボンの多くは、かつて初代の種が渡った鹿児島から取り寄せたものだったそうです。 しかし、その後は長崎のザボンも増産され今では特産品となっています。
▲西山神社のザボンの木
(^o^)鐘ガ鳴ル鳴ル マリアノ鐘ガ… (--;ウ、歌エルノ?
ザボンといって忘れてはならないのが、その皮を砂糖漬けにした、こちらも特産品のザボン漬けです。 その昔、贅沢品だった砂糖をたっぷり使う所が、いかにも長崎らしい気がしますが、 本格的に作られるようになったのは明治時代に白砂糖が輸入されるようになってから。 とはいえ、江戸時代には唐伝来の果物や野菜の蜜漬物の手法があった長崎。 たぶんザボンもその材料になっていたと推測され、現代のザボン漬けにつながる下準備がすでに出来ていたようです。
さてザボンの話ではありませんが、西山神社は正面に彦山を望む、知る人ぞ知る初日の出の名所。 そして毎年、元旦くらいに見頃を迎えることから「元旦桜」の愛称を持つ寒桜があるのでも知られています。 訪れたその日、元旦桜が美しい花びらを境内に散りばめていました。 (^ー^)It's Beautiful !!