第123号【キリシタンの村・外海町出津へ】

 美しい岬と入り江の村の風景が交互に続く国道202号線。 西彼杵半島の海岸を北上するこの道路は夕日の名所としても知られる風光明美なドライブコース。 その途中に外海町出津(そとめちょう しつ)はあります。 ( ^∇^)/長崎駅カラ、バスデ約1時間30分



▲自然が美しい外海町出津(港)


 海岸際まで山が迫り、平坦地が乏しい出津の村。 民家と小さな段々畑が山の斜面に点在し、中央の谷間には出津川が流れ、その先に角力灘(すもうなだ)が広がります。 天から光のカーテンが差し込むその紺碧の海と山の緑に包まれたこの谷間の村で、 一際美しい佇まいを見せているのがマルコ・マリ・ド・ロ神父(1840~1914年)ゆかりの出津教会です。


 村を見渡す小高い丘に建つ教会は1882年(明治15)建立。 台風の被害をさけるため、高さは低めで堅牢な造りになっています。



▲1882年ド・ロ神父は自ら

設計・施工した出津教会。


白を基調にした教会の外観は日に照らされて輝き、 屋内も信者さんたちによる掃除が行き届いて、きれいで厳かな空気に包まれていました。 (‘ -‘)神聖ナ気持チニナレマス


 出津を含むこの外海の地は、かつてキリシタンの迫害に耐えながら信仰を密かに守って来た、隠れキリシタンの里。 フランス人宣教師のド・ロ神父が主任司祭として外海の地へ赴任したのは、1879年(明治12)。 明治政府がキリスト教禁制を廃止した直後の事でした。


 当時、ひっそりと貧しい生活をしていたこの地の人々を救おうと、ド・ロ神父は自ら設計・施工して出津教会を建てます。 さらにイワシ網工場や授産施設を設け、診療所を開いたり、ソーメンやマカロニの製造、 メリヤス織機の技術も教えるなど、まさに万能ともいえる知識を注いで村人の生活向上に尽しました。 (^o、^)特産品ノ、「ド・ロさまソーメン」ハ美味シカヨ!



▲シスターが奏でる

オルガンの音色に感激


 もともとはフランスの貴族出身というド・ロ神父。 これらの活動は私財を惜しみなく投じて行われたそうです。 神父の深くて広い人類愛の精神を垣間見る当時の資料は、 出津教会近くにある「ド・ロ神父記念館」で見る事ができます。 この記念館にはド・ロ神父が弾いた貴重なオルガンもあります。 昨年春、修復されたそのオルガンを館内にいらしたシスターが弾いて下さいました。 とても柔らかくやさしい音色が心を打ちます。♪~(;-;)ジーン


 帰り際、教会のそばでアマチュアカメラマンの方に出会いました。 「出津の人々は皆、優しくて素朴」、そんな魅力にひかれ、20年近くもこの地に通い、撮り続けているそうです。 ド・ロ神父の精神が時代を越えて出津の人々に息づいているのでしょう。 m(_ _)m案内シテクレタ地元ノ中学生ノ方、アリガトウ!

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