第118号【坂の町の新しい工夫】

 深く入り込んだ長崎港。それを取り巻く標高300~400m級の山々。 長崎の市街地はその山の斜面上と、ふもとのわずかな平坦地に形成されています。 江戸時代と今の長崎の地図を見比べると、ずいぶん港や河川が埋め立てられて来たことがわかります。 それだけ平坦地が少なかったという証しです。


 長崎の斜面市街地を訪れたことがありますか? そこは民家の間を縫うように狭い階段がくねくねと迷路のように続いています。 斜面で暮らす人々の中には稲佐山も顔負けの美しい長崎の景観を毎日眺めている人もいることでしょう。 しかし良いことばかりではありません。 車の入らない住宅地も多く、ちょっとした買い物にも一苦労という方が大勢います。 特にお年寄りや身体の不自由な方々にとっては大きな問題になっているようです。 ( ’’;)急ナ階段ハキツイ


 グラバー園の近くの南大浦地区では、そんな斜面市街地での歩行を少しでも楽にしようと今年7月、斜行エレベーターが完成・運行しています。その名も「グラバースカイロード」。 石橋の電停近くの上田町とその高台にある相生町を結ぶこのエレベーターは17人乗り。 高低差50m、31度の急斜面を3分45秒で往復します。 階段をテクテク歩いて登れば20分以上はかかるところを約75秒で行くのですからとても便利です。 (^∇^)/朝6時~夜11時30分迄、無料運行中!



▲グラバースカイロード


 実際に乗ってみて、その快適さに驚きました。静かでスムーズなのです。 途中3ケ所の乗降場所を経て、終点の市立南大浦小学校下(相生町)に着きます。 学生、OL、主婦、お年寄りなど、周辺に住む人々が大いに利用していました。 また、上からの景色はなかなかのもので、今後ちょっとした観光スポットになるかもしれません。 (^ー^)/グラバー園モ近イ!



▲東山手から見た

グラバースカイロード


 宝町電停から歩いて数分のところにある天神町にも、 斜面地で暮らす人々のためにユニークな斜面移送機器が設けられています。


町名にちなんで「てんじんくん」と名付けられたそれは、 リフトで昇降するタイプで2人乗りのコンパクトな設計です。 ( ’ー ’)スキー場ノリフトミタイ?



▲天神町の「てんじんくん」


 地元自治会の管理のもと、朝8時30分から夕方6時半まで運行。60mの区間をゆっくり約3分半で移動します。 利用するお年寄りにはとても好評のようで、口を揃えて「ずいぶん助かってる」と言ってました。 長崎市内に点在する斜面地域の道は狭いので、こういった機械を設置できないところもあるようです。 今後も斜面いろんなアイデアや工夫の実現が望まれるところです。 ( ’∇ ’)/他ニモアル斜面地ナラデハノ工夫ハ、イズレマタ…

検索