第108号【くんちの心意気が伝わる、庭見せ】
いよいよ来週の10月7・8・9日は、長崎くんちです。 今年の踊り町は上町(うわまち)の本踊り、元船町(もとふなまち)の唐船祭、 鍛冶屋町(かじやまち)の宝船・七福神、油屋町(あぶらやまち)の川船、筑後町(ちくごまち)の龍踊りで、 全部で5ケ町。本番を目前に、それぞれの町が最後の練習に励んでいます。 o(^ー^)o 今カラ、ワクワク
ところで、くんちはこの3日間だけが注目を浴びがちですが、実はその前後にも、いろいろなくんち行事が行われています。 その中から今回は、本番前の10月3日に行われる「庭見せ」をご紹介します。 長崎以外では、あまり知られていませんが、 くんちファンの中には本番よりこの「庭見せ」の方が楽しみという人もいるほど見応えのある行事です。 (^▽^)/今年ノ庭見セハ明日!
▲豪華絢爛の飾り物
「庭見せ」とは、各踊り町の家々で祭り当日に着る衣装や小道具、楽器などを飾り、一般市民にお披露目する行事です。 鯛やお菓子など踊り町に届いたお祝いの品々も一緒に所狭しと並べられ、とても豪華。 くんちに対する心意気を見せる行事だといわれるだけのことはあります。(`д´)ヤルバイ
「庭見せ」は江戸時代には「庭おろし」といわれていたそうで、 庭見せする家々では道に面した側の格子や障子を取り払い、小庭も含め堂々と中を見せていました。 キリシタンの取締が厳しかった時代、家の中をオープンにすることは「我が家はキリシタンではありませんよ」というのを暗に証明していたという説もあります。 現在では、民家よりも商店などの店先を利用した「庭見せ」が多いように感じます。
「庭見せ」は夕方から夜にかけて行われます。 仕事を終え、夕食を済ませた市民は、まるで散歩に出るかのように庭見せ見物に繰り出すのです。
▲親子連れも多い、見物客たち
庭見せをやる家では入り口に家紋入りの幕を張り、豪華絢爛な飾り物を、どうぞご覧あれとばかりにドドーンと並べています。 押すな押すなの大盛況の中、振るまい酒を出す所もあり、町はすでにお祭り気分。 気持ち良い秋の夜風に吹かれて、ホロ酔い気分で、庭見せ巡りを楽しむ人もけっこういらっしゃいます。 (*^ー、^*)オ酒ハ、ホドホドニ
▲栗、柿、そして長崎の
祝いに欠かせない桃カステラ
「庭見せ」いちばんの楽しみは、手の込んだ傘鉾やだしもの、衣装などを間近でじっくり見れること。 伝統芸能を支える人々の姿が垣間見え、それを受け継ぐ町の人々の熱い思いも伝わって来て、改めてくんちの素晴らしさを感じます。 モッテコーイヽ(▽⌒ヽ)(ノ⌒▽)ノモッテコーイ!