第102号【西瓜(スイカ)と南瓜(カボチャ)】

 残暑が厳しいですが、お元気ですか。今回は西瓜と南瓜のお話です。 いずれも長崎ゆかりの夏野菜。夏バテ気味の身体にうれしい効果をもたらしてくれる食材です。  へ(×_×;)へ 暑ーーッ


 暑い日は、冷やした西瓜を豪快にガブリ。 そのみずみずしい甘さはノドの渇きと疲れを和らげてくれます。 子供の頃は西瓜割りを楽しんだり、実をくり抜いて西瓜ぢょうちんを作ったりしたもの。 真ん丸い愛嬌たっぷりの姿と赤い実に、果物なのか野菜なのか、 真剣に悩んだ事も今となっては懐かしい思い出です。 (`_´)ソレデ、野菜、果物、ドッチネ?



▲夏はやっぱりスイカです!


 西瓜の原産地はアフリカで、11世紀頃インドやシルクロードを経由して中国へ伝わったそうです。 この時、西の方から中国へ入って来たことから「西瓜」と呼ぶようになったとか。



▲ポンポンと叩いて品定め!?

音良し、味良しでした。


日本へ伝わったのは16世紀末頃、ポルトガル人が西瓜の種を長崎に伝えたという説、 また17世紀中頃に中国から隠元和尚が隠元豆と一緒に種を持って来て長崎で栽培したのが始まりという説などがあります。


 当初、その赤い果実が血の色だとして人々が気味悪がり食べなかったという西瓜。 その赤の正体はリコピンという栄養素の色素でした。 果汁にはその他リン酸やカリウムなど、いずれも利尿作用のある物質が含まれていて、 解熱や二日酔にいいのだそうです。(@∇+;)二日酔イノ朝ハ、西瓜!


 南瓜はポルトガル人が16世紀後半頃、長崎に伝えたのが始まりだといわれています。 ポルトガル人はインドシナ半島にあるカンボジアからそれを持ち込んだらしく、 カンボジアが転じてカボチャと呼ぶようになったとか。 それに後から中国文字の南瓜を当てて書くようになったようです。



▲ポルトガル人が伝えた

「西洋カボチャ」


 長崎(九州地方)では南瓜をボウブラと呼ぶ人もいます。 南瓜はポルトガル語でabobora(アボブラ)というのですが、どうもそれが訛ったようです。 関東では南瓜を唐茄子(トウナス)とも呼んでいるようですが、これには南蛮渡来の瓜という意味があるそうです。


 南瓜はたいへん栄養豊富な緑黄色野菜です。 お腹の調子を整え便秘を防ぐ食物繊維、皮膚を保護するビタミンAの他、 ビタミンC、ビタミンEなどがバランスよく含まれています。 その栄養価と育てやすさから、終戦後の食料不足の折、各家庭ではおおいに作り食べていたという話を聞きました。 当時を知る人にとってはちょっと苦い思い出のある野菜のようですが、命をつないでくれたありがたい野菜だったのです。 *⌒▽⌒*/旬野菜デ、ヘルシーナ夏ヲ!


※参考にした本/ながさきことはじめ(長崎文献社編)

検索