第96号【梅雨から夏の空もよう】

 梅雨入り後、しばらくは晴天の日が多かった長崎。もしや今年は空梅雨(カラツユ)?と思っていたところ、7月に入ってからはかなりジメジメした雨天日が続くようになりました。どうやら梅雨は最盛期に入ったようです。冷房の効いた部屋から外に出た時の、あのムッとした感触を味わう度に、梅雨がないといわれる北海道が羨ましくなります。(‐ε‐カナリ爽快ラシイ



▲シットリ雨の中島川沿い


 ところでこの季節をなぜ「梅雨」というのか、ご存じですか?その語源にはいくつか説があるようです。ひとつは中国大陸の揚子江流域あたりで梅の実が熟す頃に訪れる季節だったことから言われるようになったという説。又、「黴(カビ)」が生えやすい季節にちなんで昔、中国で「黴雨」(バイウ)と言っていたところ、のちに語感が悪いので“梅雨“という字を当てたという説。


いずれにしても日本へは中国から「バイウ」で伝わったそうで、「ツユ」と言うようになったのは江戸時代からだそうです。(□□)/梅雨ハ、東アジア独特ノ気象デス



▲長崎市の花「アジサイ」


 これから夏にかけてのお天気が気になるので、福岡管区気象台が6月28日に発表した1ヶ月予報を見てみました。九州北部地方(山口県を含む)では、平年同様、曇りや雨が多く、気温は平年並みか高く、降水量や日照時間は平年並みということでした。(“)梅雨明ケハ、ドウナノヨ!?


 また近年、よく耳にする「エルニーニョ現象」も気になります。これは南米ペルー沿岸から赤道沿いに東太平洋の広い範囲で、海面水温が上昇する現象のことです。それが起きた年は世界的に異常気象が発生するといわれ、日本でも梅雨明けが遅れ、豪雨も起きやすく、冷夏になるといった傾向になるそうです。ちなみに1957年7月の諫早豪雨、1982年7月の長崎豪雨もエルニーニョ現象の起きた年でした。


そこで長崎海洋気象台へ問い合わせてみると、現在「エルニーニョ現象」の兆候が見られ、発生の傾向があるということでした。(゛)大雨ニ気ヲツケマショウ。


 南山手にある長崎海洋気象台へ寄ってみました。建物の前の広場にはサクラをはじめウメ、アジサイ、ヤマツツジ、シダレヤナギなど、いろいろな種類の観測用植物が植えられていました。これらの開花や発芽によって季節の進み具合や気象状況の推移が見えて来るのだそうです。気象観測はコンピューター化が進んでいると思われますが、このような観測方法も当然ながら残っているのです。満開の時期を過ぎた気象台のアジサイを見ながら、なぜだかホッとしました。(\´。`/)梅雨明ケハ、マダ、分カリマセン



▲長崎海洋気象台の

百葉箱と港の眺め


※参考にした本/改訂版NHK気象ハンドブック(日本放送出版協会発行)

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