第91号【旬の魚、アラカブ、アジ、イサキ】

 長崎を訪れた人に“魚が安くておいしいところですね“と、よく言われます。長崎の近海は五島灘や対馬海流など好漁場に恵まれ、また海岸線も漁に適したリアス式海岸で、昔から漁業が盛んな土地柄です。おかげで私たちは水揚げされたばかりの新鮮な魚を比較的安価に手に入れることができ、刺身や焼き魚、煮つけなどにして、旬のものを一年中いただいています。 イタダキマァス ( ^∇^)y= >°)))彡


 ということで今回は、この季節に長崎の食卓を賑わしている魚たちを何匹かご紹介したいと思います。まずひとつめは「アラカブ」です。カサゴ、ガシラとも呼ばれる黒褐色の魚で、小ぶりでちょっとゴツイ顔をしています。淡白でクセのない白身魚なのでいろいろな調理法でいただけますが、近所の魚屋さんでリサーチしたところ、断然人気は思ったとおり「味噌汁」でした。アラカブの出し汁は、ほのかに甘い磯の香と独特の風味がして、たまらないおいしさです。この魚、普段は磯の岩場に棲み、よく動き回っているので身が引き締まっています。火を通すと骨離れが良く食べやすくなるのもいいところです。(⌒┐⌒)スキデスARAKABU!



▲ユニークな姿をしたアラカブ



▲一番人気はアラカブの味噌汁


 「アジ」は、初夏がもっとも脂がのっておいしくなるといわれています。大衆魚ですが、近年では全国的に漁獲量が減少気味で高級魚になっているそうです。長崎県のアジの漁獲量は全国でも有数です。最近では「ゴンアジ」といって五島灘産のアジが長崎ブランドとして全国的に知られるようになりました。これも脂がのり、たいそう美味だそうです。


 私はアジの小ぶりのものが手に入ると南蛮漬をよく作ります。長崎ではお正月にベニサシという魚を使った南蛮漬が有名ですが、アジは一年を通して手に入る魚なのでこちらの方がずっとポピュラーではないかと思われます。甘酢にしばらく付け込んで、骨まで柔らかくなったものを豪快に頭からガブリといただきます。現在、南蛮漬は一般の料理メニューのひとつとして全国で作られていますが、もとをたどればポルトガル人が長崎に伝えたのが最初です。長崎は南蛮漬の本場というわけです。 >><(((・> > ̄*)ガブリッ  ※「長崎食文化・西洋料理編(1)」もご参照下さい。


 ところでつい数日前、五島列島に住む友人から我が家に「ブリゴ」が届きました。「ブリゴ」とは出世魚として知られる「ブリ」の子供という意味だそうで、地元では「ヤズ」、「ワラサ」、「ネリゴ」など他にもいろんな名称で呼ばれているそうです。「ブリ」といえば冬場の「寒ブリ」が有名ですが、今の時期は、出世コースを泳ぎはじめた成長途中のものが釣れるようです。刺身にしていただきました。もちろん「ウマカー!」です。



▲友人から頂いた「ブリゴ」

刺身でいただきました。


 これから夏にかけて、イサキ、アゴ(トビウオ)、ケンサキイカなどの最盛期がやって来ます。その味を思い浮かべてひとりニンマリ。長崎の海の幸は、人の幸につながってまーす。(⌒∪⌒)yサチオオカレ

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