第90号【南山手のユニークな坂】
ユニークな名前の坂を散策しにグラバー園のある南山手へ行って来ました。長崎は今、修学旅行シーズンなので、学生さんたちの姿が目立ちます。横に広がってゾロゾロ歩く彼等の間をすり抜けながら目的の坂道へ向かっていると、グラバー園の先にある「コンスイ通り」と呼ばれるあたりで、パタリと人の姿が見えなくなりました。どうやら観光の方々は、グラバー園の向こう側まで足をのばす人はいないようです。(゜◇゜)ハッ、誰モ、イナイ!
▲コンスイ通りはカップルへお薦め
今回、歩いた南山手界隈は、オランダ坂のある東山手とともに、安政の開国後、外国人居留地として造成された土地です。かつてこの一帯には各国の商館やホテル、銀行、洋風住宅、領事館等が建ち並び、ポルトガルやロシア、ベルギー、イギリスなど各国の人々が往来しました。その華やかな居留地時代のハイカラな雰囲気は今も通りや佇まいに残されています。(¨)港町・神戸ニ似テマス。
さて、くだんの「コンスイ通り」は石畳でレンガづくりの塀が続く洒落た通り。長崎港の眺めも良く、静かな佇まいはカップルにお薦めです。「コンスイ」とはロシア語で領事館を意味するそうで、居留地時代、近くにロシア領事館があったことからそう呼ばれているとか。実はこの通りの先には「コンスイ坂」と呼ばれる坂が待ち伏せています。車道としても利用されているその坂は傾斜がたいへん急で、坂の下に「勾配率20%」の標識が掲げてありましたが、それ以上あるような気がしました。(゛)シンドソウ。
そのコンスイ坂は、下から眺め見るだけにして、さらに南西へ数分のところにある「ドンドン坂」へ行ってみました。そこは石畳の坂道で、数年前のみろくやのCMにも登場したとても雰囲気のある場所です。私の歩測!?では長さが約140m、幅は約170㎝で車は通れません。この坂も勾配率20%の標識があり、下りは歩き出したら止まらない感じです。上まで登りきると港の景色が見えてなかなかいい感じです。
▲絵葉書になりそうな
雰囲気のどんどん坂
それにしても気になるのはこの名前。地元では「雨のドンドン坂」とも呼ばれているのですが、坂の横にあった看板には『ダラダラ坂→ドロドロ坂→ドンドン坂と移り変わり、雨が降ると流れが急なので“雨のドンドン坂”となったと言われている』と書いてありました。石畳のエキゾチックな風情が、居留地時代のイメージを彷佛させます。
グラバー園下、南山手8番館のそばにも、通称「地獄坂」という、ちょっと怖い名前の坂があります。その急勾配(勾配率20%)に坂の上の住人らが皮肉を込めてそう呼んだのでしょうか? でも石畳で風情ある洒落た表情をしています。幅は約2m20㎝ほどで登りのみ一方通行の車道として利用されていますが、どの車もギューンと音を立て、一生懸命に登っています。ここは車にとっても「地獄坂」のようです。(><)長崎ニハ通称「地獄坂」ガ多イ!?
▲登ると実感!? 通称「地獄坂」