第76号【長崎ランタンフェスティバル2002、好評開催中!】
「ああ、きれかねー」。日が暮れると同時に街へ繰り出した人々がにこやかな表情でランタンを見上げながら歩いています。ランタンフェスティバルが始まって間もなかったその日は平日だったせいか、観光客や家族連れの姿よりも会社帰りの人たちが目立ちました。それでもけっこうな人出で、みな龍踊りや中国雑技などのイベントを見にメイン会場の湊公園へ向かっている様子。C= C=┌(;・_・)┘トコトコ
▲興福寺から続くランタン
それにしてもここ浜町から新地中華街、そして湊公園までびっしりと飾り付けられたランタンの美しさといったらありません。全部で12,000個と言われていますが、冬の寒さの中に灯るその優しい光は、気分をホットにロマンチックに盛り上げてくれます。 ☆.。.:*・°(゜. ゜* ウットリ
街中を灯しているこのランタンは、日本のちょうちんのような形をはじめ、色も形も様々なタイプが見られます。今回はその中から中国の言い伝えに由来する不思議な動物や歴史上の人物などをかたどった、ユニークなランタンオブジェをご紹介します。
まずひとつめは、中国の子供がオレンジ色の大きな鯉を抱いて座っている、高さ1m位のランタンです。これは中国の人々の間で受け継がれて来た図柄で「童子抱魚」というタイトル。新年を迎える時、豊かで良い運に恵まれますようにという意味が込められているそうです。ちなみに中国では魚は富みと良き未来を表す縁起ものとされ、何かにつけて魚の装飾が用いられるそうですよ。
▲童子抱魚
三国志もありました。物語の主要人物である劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)が並んで立っています。それぞれ2m以上はあるでしょうか。いずれも個性的な顔だちとなのですが、残念ながら私にはどれが誰か見分けがつきませんでした。(・◇・)1800年も前の中国の古典です
▲三国志を題材にしたオブジェ
写っているのが劉備?
蛇と亀が合体したような姿のオブジェもありました。これは「玄武(げんぶ)」という伝説の神獣。未来を予知し、天界の北を守護し、水をつかさどるという言い伝えがあるそうです。それからレンゲ(中国のスプーン)やひしゃく、お椀など、磁器類だけで組み立てられた珍しいランタンもありました。これは中国独特の技だそうで、伝説の生き物、龍と鳳凰をかたどった非常に美しいものでした。
▲玄武
▲鳳凰
この他、麒麟(きりん)や飛馬(天馬)、竜魚(らいぎょ/頭が龍で体が鯉)など、不思議な姿のランタンが優しく輝く様子はまさにファンタジーワールド! ランタンのひとつひとつに長い中国の歴史が感じられるようでしたよ。今年の開催期間は2月24日(日)までです。ぜひ、実物をご覧下さい。
▲迫力ある美しさの麒麟(きりん)
▲飛馬(天馬)