第46号【長崎・夏の風物詩、ペーロン!】
青空にくっきりと浮かんだ真っ白な雲。ウルサイほどの蝉の鳴き声。いよいよ夏本番!という感じですが、暑さに負けず元気に過されていますか?(⌒▽⌒)ノ
さてこの時季、小さな漁港を擁した長崎の各地域では「ペーロン」が盛んに行われています。「ペーロン」は日本のボートレースの元祖とも言われる中国伝来の競技で、「闘魂」とか、「熱血」といった元気ハツラツのキャッチフレーズがぴったりくる勇壮な伝統行事です。すでに6月からあちらこちらの漁港で、ペーロン大会が開催されていて、この土日に長崎港で行われる「長崎ペーロン選手権大会」では、各地域の選抜チームが競い合うことになっています。
▲長崎の夏の伝統行事「ペーロン」
(長崎ペーロン選手権大会より)
細長い舟の長さは昔はまちまちでしたが現在は大会の規定で約13.6m、乗員も30名以内(漕ぎ手26名以内、太鼓、銅鑼(ドラ)、舵手、采振り、あか汲み)と決められています。1mほどもある櫂を手にした漕ぎ手の若者達が、太鼓と銅鑼の囃子に合わせてスピードを競う様は、まさに圧巻です。(“)生デ見テホシイ!
ところで長崎でペーロンが最初に行われたのは江戸時代初めの1655年頃と言われています。当時、長崎港にてい泊していた唐船が暴風雨で難破し、多くの犠牲者を出したことから、長崎在住の唐人たちが海神の怒りを鎮めようと端船(はしけ:荷物を運ぶ小舟)で競漕したのがはじまりだそうです。\(-o-)ソレヨリ前カラトイウ説モ…
中国の福建地方には、長崎のペーロンとよく似た競渡船が存在するそうで、その起源をたどると、川に身を投げた楚の詩人、「屈原(くつげん)」をとむらうために、毎年その命日(旧暦の5月5日)の頃に行った船祭りの風習がいつしか競渡船になり、それがペーロンのルーツではないかといわれているそうです。
長崎にとってペーロンは、ハタ揚げやくんちに並ぶ花形伝統行事のひとつ。昔は中国の故事にちなんで旧暦の端午の節句に行われていましたが、現在は新暦の6月初め頃から8月のお盆の頃までがシーズンになっています。(^▽^)夏ノ風物詩!
実際に300年以上のペーロンの歴史を持つ長崎市深掘町の練習を見に行って来ました。夕方6時半頃、地元で「有海(あるみ)」と呼ばれている小さな漁港は、ペーロンの練習を終えたばかりの中学生と、仕事を終えこれから練習に入る地元チームの社会人が、入れ代わったばかり。大人たちはこれから9時までみっちり練習です。聞けばこのチーム、既に3月から毎日練習をしているとか。漕ぎ手を高校生の時からやっているという20代半ばの青年にその魅力をたずねると、『競技中はどのチームもキツイわけです。そこで何クソと思って熱くなる。意地になって頑張るってところがイイんですよね。』
▲300年以上の歴史をもつ
深堀町の練習前光景
目前に迫った長崎港での大会では往復1200mを競います。今年も海上での熱戦と、陸での地元の応援団による大声援を見る事ができるはず。頑張る人がいて、それを応援する人がいる。このとてもシンプルな在り方が、長く人々に受け継がれ、愛されて来た理由なのかもしれません。(^○^)ガンバレ~ッ!!
▲ボートに先導され、練習は
9時までみっちり続きます