第18号【長崎雑煮】
あけましておめでとうございます。健やかな新世紀・新年になりますよう、皆様のご多幸を心からお祈りいたします。\(^^\)(/^^)/オメデトウ!
さて、お正月も3日となりましたが、もうお雑煮は食べられましたか? お雑煮はだし汁や具に、それぞれの土地ならではの風土や伝統がぎゅっと詰まっていて、しかも家庭によって微妙に違うから面白いですよね。そう、お雑煮は故郷&家庭の味。 ちなみに私の家では、焼きアゴの出し汁(アゴ:飛び魚を長崎地方ではこう呼びます)を使ったすまし仕立てで、具は焼いた丸餅、鶏肉、かまぼこ、白菜、ニンジン、生しいたけ、春菊など。
▲豪華で具だくさん「長崎雑煮」
上品な風味の焼きアゴのだし汁は、他の地域では珍しいと思いますが長崎ではメジャーなんです。だけどちょっと高級品なので、普段はカツオやイリコだしを使う家庭が多く、我が家もお正月とかおめでたい日にしか使いません。 アナタノオウチハ、ドンナオゾウニ?(^O^ゞ)
▲焼きアゴはそのまま食べても
オイシイです
それでは長崎の伝統的なお雑煮をご紹介しましょう。具は焼いた丸餅、唐人菜、魚(ブリ、タイ、アラなど)、トリだんご(ツルやキジの肉)、紅白のカマボコ、エビカマボコ、干しナマコ、シイタケ、結びコンブ、サトイモ、タケノコ、クワイなど、たいへん豪華な品数です。正式にはこの中から7品、9品、11品の具が入り、うるう年ともなると13品も入ります。だし汁はカツオブシ、コンブ、シイタケのうま味が効いたすまし仕立て。金蒔絵(きんまきえ)の雑煮椀に盛り付けられます。この一杯の長崎雑煮には中国やオランダとの貿易で潤っていた頃の長崎の贅沢さや、海の幸、山の幸に恵まれた土地柄が映し出されています。 長崎では今もこの伝統を汲む雑煮が多いようです。(^ウ^=)オゾウニ、ダイスキ!
ところで昔、長崎に限らず全国各地のお正月で見られたものとして「幸木(さいわいぎ)」というものがあります。地方によっては「しゃちぎ」、「さちぎ」、「さいぎ」とも呼ばれているようです。これはお正月用の飾り木で、魚や野菜など、お正月に食べるものを吊るしておく、長さ一間(約1.8m)ほどの棒のことです。この棒に飾り縄をゆわえ(平年は12本、うるう年には13本)、野菜やブリ、タイ、スルメ、カツオブシなどを吊るし、お正月の来客にはこれらを料理して出したそうです。江戸時代の長崎では幸木につるす品々をお歳暮として贈る風習があり、地役人や商人の家では幸木が1本や2本では足りないところもあったそうです。当時の長崎の裕福さが伝わるエピソードですね。 (※^▽^※)コトシモ、ドウゾヨロシク。
▲「幸木」は門松のように
飾っていました